インターネット社会における自由とは

先日「スノーデン」を見たという記事を書きましたが、

 

今回もスノーデンをテーマにした映画を見ました。

 

シチズンフォー スノーデンの暴露」という作品です。

 

オリバー・ストーン監督の「スノーデン」は史実に基づいて作られた作品ですが、

 

シチズンフォー スノーデンの暴露」はまさにドキュメンタリー。

 

スノーデンは告発する決意をし、どんな人物だったら信頼できるのかを考えました。

 

そこでメールで連絡を取った相手がこの映画の監督のローラ・ポイトラスだったわけです。

 

監督のローラ・ポイトラスはイラク戦争グアンタナモ収容所のことを取り上げた映画を作り、アメリカ国家安全保障局NSA)の監視対象となっていて、スノーデンはこの人なら信頼できると思ったのでしょう。

 

実際にローラがスノーデンと香港で落ち合い、そこから撮影が開始されたのが本作なので、まさにリアルなドキュメンタリーなわけです。

 

この作品を通してスノーデンがいかにメディアのことを熟知しているのかと思わせる場面があります。

 

最初はスノーデン本人は登場せず、情報をイギリスの大手メディアガーディアンから告発をすることをしました。

 

その理由として、スノーデン本人が出ると、人物にフォーカスが当たり、論点がずれるということを恐れたからというのです。

 

だから、最初はスノーデン本人が出ることはなく、内部告発をスクープにすることによって、論争を起こし、アメリカ国民に考えさせることを意図し、最初は本人が出ることは拒否したわけです。

 

今のメディアも人物ばかりを取り上げ、論点がずれることが多々あるのではないか、私がメディアを見るときに論点はどこなのかを常に考えながら、記事を見ることが大事だということを考えさせられました。

 

そして、この映画は今現実に起きていることなのです。

 

インターネットができた当初は誰もが自由に発言できるツールとして非常に画期的でした。

 

しかし、911以降アメリカはインターネットを監視するようになりました。

 

安全のために監視しているとアメリカ政府は言っていますが、実際はそうではないのです。

 

今の時代では自由が守られるということと、プライバシーが守られるということはほぼ同義だと映画でも語られています。

 

このまま政府を野放しにしていては、私達の電話やメールの内容までもがいつでも傍受され、自由に発信できなくなる時代がやってくるのです。

 

スノーデンはそこに警鐘を鳴らした人物でした。

 

投票者が選出した大統領は本来は国民を守るべき役割のはずです。

 

それが国家の安全という名のもとに、犯罪対象ではない国民も監視の対象にしている。

 

日本の政治も大いに関係があり、国民に政治に関心を持たないようにし、利権を貪るような法案を次々と成立させる。

 

私達が政治に関心を持たなければ、どんどん管理社会になってしまい、私達は自由に発言をすることもできなくなるという社会がやってきてしまいます。

 

この映画はそんなことを意識させてくれる映画です。